日本が生んだ世界的競技「けん玉」の効果

「けん玉」と聞くと、わたしたち日本人にとっては昔の人のおもちゃというイメージがあるかもしれませんが、近年ではワールドカップが開催されるなど、世界的にも注目されるスポーツへと進化しています。

そんなけん玉は、実は優れた知育玩具で、子どもの発育や高齢者の認知症予防に役立つことをご存じでしょうか?

今回はけん玉あそびの魅力や知育効果について、ご案内します。

 

 

世界が注目するKENDAMA

けん玉のルーツは、16世紀のフランスにあった「ビル・ボケ」というおもちゃだと言われています。ビルは「玉」・ボケは「小さい木」のこと。つまり、木で作られた小さな玉で遊ぶという意味です。

これが江戸時代の日本に、大人が酒の席で楽しむ遊び道具として広まりました。

 

その後はご存じのとおり子どもたちのおもちゃとして一般化して、1900年代には何度かけん玉ブームが訪れました。
2000年以降は競技として認められ、アメリカでも若者を中心に「KENDAMA」として認知されるように。今では世界各国でKENDAMA大会が開かれています。

 

 

けん玉あそびの効果

そんなけん玉にはさまざまな身体的・精神的効果があると言われています。

ここからは、成長期真っただ中の子どもはもちろん、働きざかりの大人やリタイアした高齢者にもおススメしたい、けん玉あそびのメリットをご紹介しましょう。

 

脳を活性化させる

けん玉あそびをしているときの人間の脳は、通常時に比べて非常に活発にはたらき、集中力もアップすることがわかっています。

できない技を練習することで脳が活性化し、記憶力向上や認知症予防につながるのです。

また、けん玉の上達に伴って、思考力や分析力を司る前頭葉のはたらきが最小限になる、いわゆる「ゾーン」状態に。脳の必要な個所だけが活発に動き、他はリラックスしているので、勉強や仕事の息抜きには、まさにうってつけといえます。

 

楽しく遊んで健康促進

けん玉をしばらく練習していると、体があたたかくなるのがわかるはず。これは、実はけん玉にはウォーキングに近い消費カロリーがあるためです。

地味に見えますが、けん玉にはスポーツとしての一面もあり、医療やリハビリの現場でも取り入れられているほど。

ご存じのとおり、けん玉はひざを使って屈伸運動のような動きをすることが多く、ここから、足腰の強化や全身をバランスよく動かす体幹トレーニングにもつながるのです。

さらに、皿や穴の場所を瞬時に認知する動体視力や、玉と体の動きを連動させるリズム感など、さまざまな身体能力を遊びながら鍛えることができます。

 

精神的効果も

子どもやには特に重要ですが、けん玉の練習を通して何度も失敗や成功を体験することが、心の成長にもつながります。課題が難しければ難しいほど、大きな達成感が得られるでしょう。

「あきらめずにできるまで頑張る!」  という強いエネルギーは、将来的にあらゆる物事に通じます。

あそびの中からやり遂げる強い心やチャレンジ精神を学ぶ機会としても、けん玉はオススメなのです。